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その2 環境の変化をきっかけに勉強に興味を失った時、どうする?

新しい環境にお子さんが適応していくには本人の力と、ご家庭でのサポートも不可欠です。子供が自信をもち行動していく土台づくりに親ができることを考えます。


【課題発見と問題解決力を養う】
適応力のひとつに課題発見、問題解決能力があります。この力は変化の激しい現代社会に生きる私たちにとっては必須です。子供は新しい環境下で解決しなければならない問題が山積みのように感じています。子供自身がその課題を発見整理し、ひとつひとつ解決していくことこそが勉強であるならば、学校での勉強に一時的に興味が向かなくても心配する必要はありません。


学校の勉強も将来子供が社会に出たときに役立つ知識や経験を身につけさせることをひとつの目標としていますが、現実に目の前にある解決すべき今の問題からとりかかることは、将来の自立のためには大きな学びの機会を活用することになります。勉強とは何か、という問いに家族で話し合い共通の認識を持つことも焦りを計画に変えるきっかけになります。


【創造的知性を実践させる】
大人は子供に、学校は生徒に、知識とそれらを応用する力を身につけて欲しいと願っています。しかしながら教科書に書かれた知識が実生活において直接役立つ場面は少ないように思われます。新しい環境のへの適応という状況は、まさにこの実生活で使える知識を獲得し応用する実践力を養うチャンスです。


知識とは環境に適応して生きていくためのひとつの道具だと主張したのは、アメリカの教育学者デューイです。道具として役に立たない知識は絶えず修正されます。そして何が役立つ知識なのかを判別するためには試行錯誤を重ね、自分で実験的に検証していくことが不可欠なのです。ある人にとっての解答が、自分にとっての最善の解決方法とは限りません。


人が何か問題にぶつかったとき、いままで培った知性を働かせて原因をさぐり、状況に対処する合理的方法を模索します。このように能動的に未来を作り出していく知性のあり方を創造的知性と言います。この創造性を発揮するためには、まず行動することが前提になります。

失敗はあらかじめ想定された可能性であり、ネガティブ評価を与える必要はなく、むしろ解決法を創造する段階では不可欠なエッセンスです。子供が行動できている間は、失敗であっても行動そのものを承認し、結果よりもプロセスに含めて褒めましょう。


以下に過去の相談での例をあげます。当初は外出もせずネットで日本の友人とコミュニケーションすることだけが、唯一の楽しみでした。海外へ赴任したAさんは料理が好きなため母親と近所の料理教室に一緒に通い、料理を通して現地の食や人に出会い、次第にその国の文化や言語を学ぶ意欲を示すようになりました。せっかくの海外滞在なので、帰国してから英語も活かしたいと、今では英語の学習にも励んでいます。


知識やスキルが実生活に即し、役に立つことが分かると子供は学びの喜びを感じます。どんな知識やスキルが役に立つのかを試行錯誤で体感することで、学びへの根気が養われました。

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